2010年12月12日日曜日

軌道修正できれば、、、。

JAXAの科学観測衛星、「あかつき」、残念ながら今回の、金星周回軌道に
入ることはできませんでした。

 何よりも、プロジェクトのリーダーは、私がかつて学生時代に3年間程、お世話になった方々、無念な表情を浮かべられていたことが、一番悔しく思っています。

その方々は、私にとって、「ガリレオ」や「ニュートン」のような存在でした。
単に理論物理学者だけでなく、地球の外で起きている物理現象を、どのような観測手段で
実証するかまで、実際にやられていた方々だからです。

ご存知の通り、地球から金星は、太陽系の惑星で、一番近くの距離であります。
ただし、近いといっても、光の速さで、4から5分もかかる距離です。

想像もつかない距離ですが、光は、一秒間に地球を7周半する距離で進みます。
そんな中で、実際に金星の近くに行って、観測するとなると、時期によりますが、数年かかります。

衛星を打ち上げても、金星の近くに来た時に、衛星と通信をすると、往復10分近くかかるそうです。
 だから、その場で何かがあっても、地球で気がついた時には手遅れになってしまいます。
もちろん、それに備えて、自律自動制御機能をされているそうです。

今まで、人工衛星では、遠くへ少ないエネルギーで到達させるために、月の重力を使って、ぎりぎり接近するまで、重力で加速させて遠くに移動させる、スイングバイということはやってきました。

今回は、逆で、金星に接近するところで、ブレーキをかけて、金星の重力にトラップするといった計画でした。

そんな離れ業の一発勝負、ずっと前から作戦を立てて、万全の準備で進められていたことですから
、結果は残念ではあります。
 異常を検出し、逆噴射をストップしたのは、それも、ある意味準備された中のことなので
救いは、衛星の行方が掴め、通信が可能で、制御ができる状態にあることです。
だから、本来のミッションのリカバーできる可能性が残っているわけです。

 次の挽回策は、太陽系惑星軌道とのタイミングで、数年後になるかもしれません。
いろいろ、予算的な事情もあり、今後についてはどうなるかわかりません。
 日本の科学技術の予算枠は、欧米に比べると非常に少ない訳ですから

 ただ、一度満身創痍になってしまった「はやぶさ」との復活劇のこともあり、
まだ、何かに期待は持っています。
 想定外が想定外を生んで、新たなことが発見できれば、それを信じて

0 件のコメント:

コメントを投稿