2010年2月20日土曜日

プリウスにエールを

私は、メーカーのエンジニアの立場として思うことです。

トヨタ自動車のハイブリッド車の不具合事項がありました。
急な路面状態変化時、ブレーキ作動タイムラグが発生するという件です。

 私もエンジニアの立場として、公表されている現象と原因を聞いて、なるほどと
思うと共に、エンジニアの使命を考えさせられました。
 ただこれは、ネガティブな考えではありません。
世の中のニーズに合った、革新的なものを生み出す上でついてくる、リスク、副作用を
 短期間で、きちんと原因の特定と、対策を 提供していたからです。

 マスコミの報道では、あたかもメーカーが欠点を隠蔽していたかのように、伝えられて
しまっているのが、残念でなりません。
 自動車や車両、航空機等は、100%完璧なものではないですが、その中で
安全性、信頼性を優先して、様々な条件でテストを繰り返した上で、かつ、新車を
売ったらそれで終わりでなく、オーナーの使用状況などをフィードバックして
より良くするためにはと言う事を、常に考えられているからです。
 だから、今回の対策も、決して言われたからという、付け焼刃的な対策ではなく
オーナーに影響を最小源にしたうえで、きちんとした対策を短期間でやっていたことは
決して手抜きではありませんし、私もどうやったらと思う気持ちであります。

 今回のプリウスは、従来車よりも電気モーターで駆動する割合が増えるといった、
環境対策の革新的なものの副作用なのかもしれません。
 モーターを発電することで、タイヤや摩擦ブレーキに負担を減らすことができるし
電池の充電もできるといったメリットがありますが、以前のブレーキシステムとの使い分け
動作で副作用があったわけです。

 以前のオートマチック変速機車や、ABSブレーキ車も、以前の車両と同じ運転方法の
つもりでいると、副作用があったことと似ております。
 オートマチックの場合は、アクセルペダルを戻した時のエンジンブレーキの効力が弱いことや、ABSの場合は、滑りやすい路面でタイヤがロックする程度に強めに踏み込まないと効果がないことが、JAF等では公表されております。

 私はむしろ、真摯に原因検討と、対策フォローに評価してもよいと思いますし、メーカーだけの責任にしている、国土交通省や通商産業省の対応のほうが疑問に思います。
 環境性能に国を上げて取り組む姿勢があるのであれば、貢献しているメーカーに対して、人事のように非難勧告するのではなく、よりよくするために協力しようとするべきではないでしょうか。
 エンジニアの使命して、オーナーに100%満足なのものは今できなくても、近づけるために日々やりがいを持って努力されている訳ですので、モチベーションを下げるだけのような扱いして欲しくないところです。

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