2010年3月23日火曜日

就職内定率80%って

 先日、日本の高校生や大学生の就職率が、80%を切ったとの報道がありました。
割合で見れば、5年前や私が就職した13年前の氷河期と呼ばれた頃と、同水準ですが、

 その時とは分母の人数が違う訳です。ただでさえ学校が定員割れになり経営が厳しくなっていた
世代ですから、企業が受け入れられる採用人数も、本当に狭き門になっているわけです。

 右肩上がり時代の就職協定は、過去のものになった現在、大学生では、3年次から企業周りを
始めることが常識になりつつあります。
 私もその世代を相手に、面談をしたことがありますが、「学校で学んだ専攻で、どの教科や分野が得意、または興味がありますか?」の問いに対して、「専門教科はまだ受けたばかりなので、とかまだゼミや研究室を決めてないのでわかりません」ということが目立ちました。

 ちょっと絶句だったですが、気を取り直して質問の仕方を変えました。「どうして学校に入って、この専攻を受けたいと思ったのですか?、それを生かして、5年後、10年後どのようになりたいと思っていますか?」と。
 意外にも、真意か、建前のせりふか、それなりに答えられる人が多かったのです。

 後で知ったことですが、面談を受けた人は、書類選考の結果で来られた人ばかりだったのです。
うまく早期に内定を取り付ければ、後は勉学に研究に力をいれればよいですが、ここ最近は
3年生から活動して、卒業前まで就職先探しされている人が多いのが実態です。

本来、大学等は、就職斡旋機関が目的ではない訳です。
 そのためか、最近入社される方に目立つのは、本質を深く考える部分や、おかしいと思ったことに疑問を持たない傾向があります。口癖は結果はこうなるはずだから、、、。
 広く浅くで、経験が薄い部分だから仕方ないですが、目先の結果ばかり追わされている結果なのかもしれず、若いのに残念に思います。

 私は自分が新人だった頃に、周りの人に恵まれたのかもしれません。お陰で、相互理解をもってご指導いただいたり、いろんな経験をしたり、失敗しても一緒に考える時間を作って貰えました。

 私が現在、その先輩と同じ年代や立場になった時に、その経験を元に、後輩への動機付けや相談などで、組織になじみやすいように恩返しをしております。

 いざやってみると、結構辛抱があることですが、人はそれぞれ考え方が違いがあり、自分の価値観を押し付けるのではなく、「なんでそう考えたの?」って聞く耳をもちますと、なかなか面白い。
「人に教えること=自分が教わること」だと思って楽しんでいます。

 そのように、血の通ったマネージメントは、結果を急ぐ次代にはそぐわないのかしら?

私の提言ですが、企業は即戦力で、必要な知識や経験を求めるのであれば、在学中から
卒業見込みで就職活動を受け入れるのではなく、ちゃんと卒業できた人を募集すべき。
 企業に興味がある人のために、在学中に職場経験を受け入れ、年の近い社員が一緒にフォローする門戸を広げるべきではないでしょうか?

ドイツやフランスでは、卒業してから職を決めるのが当たり前になっています。

 また、採用試験などでお断りされた際は、きちんと理由を伝えるべきです。
あくまでも、その人の人格を否定するわけではないからです。

 そのことが、企業と学校のお互いの質を上げていくのではないでしょうか?
現在は、どちらも質が落ちる一方で、生産人口が増えず悪循環です。
 

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