2010年11月30日火曜日

薬剤治療の現状と怖さ

精神科や心療内科では、治療のひとつの手段として、
医師の処方箋を元に、精神安定剤や、抗うつ剤、睡眠補助剤等を服用することが
多くあります。

私も現在も、毎日服用し続けております。

但し、これだけは正しく言いますが、あくまでも薬は、脳神経に対して、
精神を一時的に穏やかにしたり、また、逆に意欲低下に対して、高めたりさせて
精神的な疾患を、治療するための補助的な役割と考えるべきです。

元々、抗うつ剤は、即効性がある訳でなく、副作用もあります。
だから、本来処方を出すときも、会話などで、様子を見ながら、最低限のものに
処方されることが普通です。

本当に必要な治療の本質は、順番として
 まず、精神的なストレスに対して、脳を休め、脳の疲れを回復すること。
 次に、ストレスに対して、上手に付き合って、憂鬱や、パニックの度合いを軽減するように
できること。
 最後に、その結果、生活リズムを取り戻して、日常生活が正常に送られるようになること。
かと、経験者の意見として思います。

このプロセスを、積み重ねるには、早い人でも半年、一般には年単位の期間だと言われます。

 最初のプロセスは、一番効果があるのが、心身の休養と、睡眠や休息時間の確保といわれます。人によっては、睡眠に障害がある場合もあり、睡眠補助で薬を服用されることがあります。
 
 次のプロセスは、意欲などが戻りかけた頃に、受けるストレスとの戦いになります。
精神安定剤で、一時的には気分は落ち着きますが、そればかりですと、薬の依存が強くなります。

 だから、薬だけでは、本質的な回復にはなりません、自分の思考を訓練して直していく作用や
切っ掛けが必要になります。

実際には、日常生活で、ストレスを感じるできごとを、後ろ向きな面を、前向きな面に考える方向を変える訓練をしていくことで、ストレスを過剰に感じることから、前向きな気持ちに開放されるようになります。
 これは、認知行動療法とよばれる訓練であって、諦めや妥協の思考とは違います。

 そのほか、動揺を感じたら、深呼吸や、ストレッチなどをすることで、気持ちを落ち着かせることも
医学的にも証明されております。
 これは、私もよくやっております。だから、長時間にもなる会議等は、苦手ですし、意識的に
途中で一息入れることを、意識しております。

 最後に、生活リズムを取り戻すこと、具体的には早寝早起きで、きちんと前日の心身の疲れを
回復して、翌日に臨むことです。

 そのプロセスを行う上で、回復を補助的に機能させる役割として、投薬の位置づけが
あるかと思います。

 最近、状況がなかなか回復しないからといって、病院をはしごして、それぞれの医師の処方をうけ
薬物依存に陥るといったケースが増えていると、報道番組で聞いたことがあります。

 精神科の処方箋は、あくまでも治療のための処方としての薬です。
だけど、神経作用になんらかの刺激や影響を与えるので、使い方を間違うと、麻薬と同様の
効果になってしまいます。
 
 私の服用しているものは、精神安定剤ですが、副作用もありまして、
車の運転や、危険作業など注意力がいる時には、服用をさけるように言われております。
 
 実に、怖い話ですが、病院でも薬局でも、現在服用している薬の履歴をきちんと言えば
防ぐことができる話ではあります。
(最近は、薬局では、お薬手帳というものを持っていれば、情報はわかります)

精神治療は、薬だけでなく、本人が回復したい意志と行動が必要になるかと思います。
 私もそうですが、生活収入のための仕事は必要となります。
生活に困らないようにと、回復を焦って考えてしまっては、結果として、一向に回復には向かわない。
かと言って、薬だけに頼って回復できるものかと言えないものでもあります。
 根本的なストレス要因から、すべて開放されない限りは。

 そこはきちんと一線を切らないといけない覚悟はあると思いますし、きちんと自分に関係する人に
状況を伝えて、理解を得られないと厳しいと思います。
 また、自分が他人に憂鬱なストレッサーにならないように、というのも大事です。

 現在の社会では、いろんな意味で、「無意味な過剰競争原理」というのがあるかと思います。
時間を削ってとか、クリティカルパスで綱渡りというような、やり方が長期間にわたって続くようで
あれば、そのうち、深呼吸もする暇も与えられなくなってしまうかもしれません。
 戦中時期の日本のように、戦略なき気合だけで乗り切れと言う状況になっては、おしまいです。

 産業革命の風刺として、チャーリーチャップリンの「モダンタイムス」という映画が
クローズアップされたことがあります。

 人間は、肉体も精神も、負荷を与えれば必ず疲労します。だから休憩してリカバリーを
して、リフレッシュする時間や行動が必要になります。

 もし、その時間さえも許されず、与えられずという状況を、日常的に平然とさせているような
仕組みがあるとすれば、それは異常であって、メンテナンスする時間がないと、疲弊して
長くは続かないでしょう。

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