2009年9月5日土曜日

大量消費、使い捨て時代からの脱却

プロフィールにあるように、私の職業は、メーカーのエンジニアです。

所謂、デジタル家電といわれるものに関わっております。
いろいろ世の中に出してきたメーカーの立場として、最近の環境破壊や原料不足の中で
最近ふとある葛藤を感じます。
半年ごとに大量生産を、誰のために? 使うユーザーに本当に付加価値を十二分に与えていただいているのか?とです。

マーケティング論では、ユーザー層の中には、開拓者と呼ばれる新し物好きの層があります。
おそらく、WEBのユーザー評価で真っ先に公表する方はこのような層です。
開拓者の口コミを下に、購入を検討する第二の層があります。
 現在、お財布の紐が厳しい中では、同じ機械を何台もとは、なかなかいきませんので、
下取り買い替えとなるパターンが多いと思います。
開拓者の層では、半年前に買ったものを手放すことには、抵抗がない方が多いと考えますし、
第二の層の方は、経済的な状況によって衝動買いするか、我慢するかが変わると考えます。

ノートPC、携帯電話や、薄型テレビ、ハイビジョンレコーダーなどデジタル家電は、シリコンなどの半導体や、電気部品に金、白金、銀、銅、アルミ、液晶やリチウムやニッケル水素電池等、フェライト磁石などのレアメタルと呼ばれる、地球上に存在する量がまれな材料が多く使われています。
 その他、外装や、光学部品などに、プラスチック樹脂やガラスが使われております。

PCやテレビ、携帯電話や、電池などは、最近材料の回収とリサイクルの義務や推奨を促しておりますし、回収費用を予め含めていることや、ある程度の期間使うことを前提に購入する形になります。
 それでも、メーカーは半年ごとに、機能を変えた新商品を出してきます。
最近思うのですが、保障期間や、部品交換や点検が必要な期間まで使われることは、稀になってきてないかと。更には、新機能を売りに商品を世に出してきているのにも関わらず、完全に付加価値を味あう前に、すぐ次のものに買い替えされていないかと。

 なんとなくですが、使い捨て商品と同じ扱いになっている気がしますし、メーカーの心得としてそれでいいのか?との葛藤もあります。
 使い捨てと言っても、富士写真フィルムの、「写るんです」は、きちんと回収、再生ができる仕組みが上手くできていました。

 そこまでとは言わないが、作る側もやりようがある気がします。 
メーカー間で競争もあるのですが、何か目的がずれているようにも感じられます。

日本人は、ものや道具などを、手入れして大事に使うといった価値観がありましたが、
手入れというメンテナンスの面倒さが解消されてしまった製品が多くなった時代、いつのまにか
使い捨てといった価値観が生まれてしまったのでしょうか。

日本の産業構造が、原料を海外輸入に依存度が高い現在、地球環境問題含め、もう一度質実剛健の価値観を見直してみてはどうでしょうか? と日々思います。

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