2009年4月14日火曜日

地球のなぞ(大気圏が維持されるわけ)

今晩は、私の好きな分野、宇宙科学コラムです。
現在皆様が生命の維持に関わるものの一つに、酸素を含む大気があります。

 アメリカ合衆国のNASA、EU連合体のESA、そして日本も人工衛星による
地球や惑星探査プロジェクトが行われております。

 やっぱり科学者の気持ちのどこかに、
「地球以外の惑星に生命体があるかもしれない」
という考えがあることだと思います。

 実は、太陽系の惑星は、太陽からの荷電粒子(プラズマ状態の気体)の強い風を
受けております。その名の通り Solar wind(太陽風)と言います。
この風の風速は、音速をはるかに超えるスピードなのです。


 「こんな強い風を地球の地上で受けてしまったら?」
 とても人類どころか、生命体の存亡は、困難です。

 実は、地球には地核に、大きな発電機構があり、「ダイポール磁場」と呼ばれる
ものが存在していることはご存知でしょうか?
この磁場は、方位磁針で存在がわかりますね。

 この磁場とプラズマとの相互作用(ローレンツ力)によって、
太陽風の方向転換させる力を生じ、太陽風の防波堤になっているのです。

 また、太陽光の紫外線成分が、水素や、酸素等を電離させて、
HF帯通信で使う電離層や、酸素分子とオゾンの化学反応への
エネルギーを与えることにより、紫外線エネルギーを上手く吸収しているのです。

偶然とは言え、上手い具合に、地球は生命が存在できる条件があったのです。 何気無いことですが、見えない形で強い縁の下の力持ちなのです。

 他の惑星では、まだ生命体が確認されておりませんが、
惑星探査の研究結果から、地球に近い火星や、金星などは、
 かつて、太陽風から大気を維持する程の強い磁場が存在した
との説があります。

 現在は発電される磁場が弱くなってしまったため、太陽風によって
大気圏が吹き飛ばれてしまったとの考えがあります。

 太陽風の風速も、日々刻々と変化しており、太陽活動が活発で
黒点数が多くなる時は、solar flare と呼ばれる、突発的な強い風の塊が吹き
つけてきます。
 また、紫外線の強度も増してきます。

 このときは、高緯度でオーロラが頻繁に起きたり、電離層に強い電流が流れ
地磁気が乱れる、磁気嵐といわれる現象が起きます。

 磁気嵐は船の航海に影響を与えたことや、通信に影響を与えることから
日本でも、通信総合研究所が、太陽活動による「宇宙天気予報」というのを
公表されています。
 
いろいろ科学の雑学的な話しですが
もし、地磁気が無くなってしまったらどうなるの?
という視点で見たら、人類の存亡に関わりますね。

オゾンホール縮小や、地球温暖化、地球上で生み出される
エネルギーの過剰使用等が着目されております。


 酸素や地磁気等、普段当たり前に在るようなもの。
だけど、生命に必要な、見えない縁の下の力持ちの存在を

忘れないで欲しいですね。

 科学という視点で 地球環境や、宇宙環境についての探究心には、
国境も宗教もないですね。国際協力の上手なモデルだと思います。

地球環境なんて、学問としては直ぐに役立つものなのか?という考えもありますが
学生時代からいろいろ話しを聞いているうちに、興味を持つようになりました。

 限られた研究予算の中で、熱心に頑張られている研究者や、スタッフの皆様には
心からエールを送りたいと思います。 

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