2009年3月14日土曜日

確率論のはなし(その2)

自分は、理系の学問出身でした。
「だから?、でも人であることは変わりはないのでしょ?」
その通りです。

 私は、あまり物理や数学は得意とは言えませんでした。
だから、人にいろいろ聞いて勉強したほうです。
本当にわかっている人は、説明がわかりやすく柔軟です。

 私は、その姿勢を今でも大切にしています。
そのお陰で、人に教える際には、相手に合わせて説明を考える癖が
ついたのかもしれません。

前置きはそれまでで、数学、物理の話しを例に挙げます。

 数学で「確率統計論」というカテゴリがあります。
これは理系文系とは関係なく、身近な現象を定量的に表わすものでは
ないかと思っております。

 コイントスで表か裏が出る割合は、意図的にインチキをしなければ
回数を重ねると、大体50%に近くなります。

 ジャンケンで、1回勝つ確率も 33.33%に漸近します。

 もし、あなたが、1回のジャンケンで絶対に勝てよと言われたらどうします?
よっぽど、相手の癖や傾向がはっきりしていない限り、勝てる自信は低いのです


 実生活でも、これと同じような決裁を迫られることがあります。
はっきり言って、依頼側がリスクを負う姿勢が無いと、Yesとは言えません
これは、パワハラといっても過言ではありません。

 もしあいこでもいいから負けるなと、言われればどうでしょうか?
負けない確率は高くなります。 すると自信も変わってきます
33%のリスクは負いますよと言うかもしれません。

 そもそも、ジャンケンやコイントスは、All or Nothingという現象を目指すことが
本質的に矛盾なのです。
矛盾の諺の由来を考えてください。同じことです。

 だから、客観的な確率の高い低いを尺度にすることが、コトの課題を
より明確にできるのではないでしょうか?

 なんでも精神論や気合でというのを切り札にするのは、
博打行為を押し付けるものと理解して欲しいです。

 実は、物理学でも確率論が存在するのです。
数式や法則で表現するイメージからすると、All or Nothing の典型の学問
だと思う方も多いでしょう。

今 部屋の中の空気分子の移動速度や位置、方向は?と聞かれても、
一意に特定できませんよね?

 Maxwell-Bolzman両博士は、これを客観的な法則として、移動速度、方向の
存在確率という見方で表現されています。 

 Maxwellの速度分布関数と言われています。温度が高くなると、
気体の移動速度の2乗(運動エネルギー)の大きい分子の
割合が増加します。

 だけど、分子の中には動きの早いものや、一方動きが悪いものもある確率で
存在します。だから、いろいろ分子が衝突を起こしたりして、速度、方向が特定できないのです。

 気体分子の運動エネルギーの平均が、温度という表現に行き着いたのは、
実際に風船に熱を加えると、温度が上がり、風船が膨張する。
逆に冷却すると、しぼんでしまう現象が客観的に確認されています。

 また、かの量子力学にある、電子の粒子性と波動性の矛盾を成り立たせる
理論として、シュレーディンガー方程式で表現される波動関数が存在確率を
示すとの結論に至っています。

 鳥の目、虫の目(巨視的観測、微視的観測)の両立とは言いますが、
本質的に矛盾があるものに関しては、確率で考えることと、相反する
確率も頭に入れておけば、
考え方も広く深くできるのではないでしょうか?

以上です

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